HACHIDORI SOLAR — CLIMATE TECH COMPANY

ファイナンス進捗共有資料

MBO実行 × JR西日本 資本提携 × Climate Tech リブランディング

宛先COO 川口さま
共有元代表取締役 池田 / CFO
共有日2026年5月7日
機密区分Confidential — 経営層限り
このドキュメントの目的:5/末MBO実行〜10月JR西エクイティ調達クロージングまでの流れを、川口COOにキャッチアップしていただくための要点まとめ。明日のCFO候補会食前の認識合わせを兼ねて。

📊 エグゼクティブサマリー

全体ストーリー — 3事業構造とファイナンス戦略アクションの並行

ハチドリソーラーは、FY2026 連結売上8.96億円・営業利益▲3,749万円(銀行向け固め前提)。事業は3層構造で、既存の住宅事業・自治体事業はいずれも営業黒字。営業赤字の主因は 新規事業 i-Power Engine のR&D先行投資(▲8,020万) であり、これは戦略的な意図的赤字。FY28連結営業利益は+2.36億円に転じる事業計画。

その上で、2026年5月から10月にかけて、3つのファイナンス上の戦略アクションを並行して進めている。これらすべてを通じて、ハチドリは「太陽光販売会社」から Climate Tech Company へリブランディングし、JR西日本グループのCN2050戦略との10〜30年長期パートナーシップを確立する。

3事業構造(FY2026 銀行向け事業計画)

事業FY26売上FY26営業利益役割
住宅事業(5商流)8.13億円+3,541万キャッシュ創出層/顧客アクセスチャネル
自治体事業0.83億円+730万地域脱炭素/公的案件
i-Power Engine0円▲8,020万R&D先行投資/FY27〜売上計上
連結合計8.96億円▲3,749万FY28に+2.36億へ転換見込

※ 銀行向け事業計画ベース(保守的固め前提)。商流別ユニットエコノミクスから積み上げ。

3つの戦略アクション

(1) 5月末:MBO実行
ボーダレス・ジャパン100%出資から、池田個人80%取得+ボーダレス20%保持の体制へ移行。譲渡価格1,600万円(FY27〜年400万×4年の役員賞与方式)、配当950万円(5月末ボーダレス向け)。中川先生(税務・法務)と3者MTGで残論点5点をクリア中。第9条事前承諾はJR西増資について包括取得済み。

(2) 6月:株式分割(1:1,000)
200株→200,000株への分割を6月臨時株主総会で実行。株主比率は変わらない(税務イベントなし)が、JR西調達前に発行可能株式総数の柔軟性を確保。1株あたり単価は1,000万円→1万円となり、SO発行・追加調達・将来IPO準備の3点でメリット大。

(3) 10月:JR西エクイティ調達クロージング
プレマネー20億円・調達額1億円・ポストマネー21億円・JR西取得比率4.76%・A種優先株式。4軸バリュエーション(DCF20.7億/SaaSマルチプル25億/統合PSR30億/+JR西シナジー5億)の加重平均29.5億から保守ディスカウントで20億提示。最低ライン15億、それ未満は飲まない。短期EXITは前提とせず、事業売却(M&A)方針なし、IPOは時価総額500億円以上のみ

🔴 足元のクリティカルリスク3点

  1. 配当の分配可能額制約:FY2025末ベース10,458,342円に対し、配当950万+利益準備金95万 = 残余わずか8,342円のギリギリ。5月末再計算で下振れた場合は配当930万に圧縮するルールを3者で合意済み。
  2. 銀行コベナンツ通知義務:きらぼし銀行取引約定書 第18条第3項「経営の重大な変化を遅滞なく報告」にMBO実行が該当。5/15〜20に口頭事前通知が必要(フレーミング:「経営管理体制の整備」)。
  3. 銀行裁量による期限の利益喪失:第5条第2項第5号「相当の事由」が銀行裁量で広く解釈可能。銀行との良好関係維持が極めて重要

✅ 法的判定:MBO実行可能

5/7時点でCFOが精査した結果、明示的な「MBO禁止」「親会社関係維持」条項は存在しない。5/末MBO実行に直接の法的障害はなし。

銀行3行のコベナンツ確認状況:

  • きらぼし銀行:✅ 全文精査完了(取引約定書21条+契約書4本)
  • 山梨中央銀行:🟡 1本受領(10M分は問題なし)/20M本体・3本目 未受領
  • 政策金融公庫:❓ 取り寄せ未着手(5/8〜10で対応予定)

📅 今月(5月)の3大マイルストーン

日付マイルストーンクリアすべきこと
5/7(本日)3者MTG(池田・つんさん・中川先生)残論点5点の最終クリア/株式分割方針合意/コベナンツ進捗共有
5/15〜20銀行通知+契約書最終化+機関決議口頭事前通知/中川先生の契約書ドラフト/株主総会+取締役会
5/末MBO実行完了配当950万送金/譲渡契約締結/池田が80%取得
結論:5月末MBO実行に向けて、3者MTGの残論点クリア・銀行口頭通知・機関決議を10日間で同時並行。10月のJR西調達クロージングまでの全体動線は既に見えている

📝 本資料に登場する関係者(注釈)

目次

  1. 前提:再建フェーズ × Climate Tech化リブランディング
  2. 第1部:MBOに向けた協議とスケジュール
  3. 第2部:JR西日本からの調達戦略(バリュエーション)
  4. 第3部:銀行コベナンツ確認の進捗(5/7時点)
  5. 第4部:株式分割(1:1,000)方針
  6. 第5部:全体スケジュール(5月〜FY30)

前提:3事業構造 × Climate Tech化リブランディング

FY2026 連結売上見込
8.96
3事業合計(銀行向け固め前提)
FY2026 営業利益
▲3,749
i-Power R&D投資が赤字主因
FY2028 連結見込
24.4
営業利益+2.36億へ転換

FY2026〜FY2028 連結損益(銀行向け事業計画)

項目(円)FY2026FY2027FY2028
連結売上896,451,7501,494,360,0002,437,177,000
 住宅事業(既存5商流+JRでソーラー)813,451,7501,278,260,0002,014,830,000
 自治体事業(住宅向け+事業所向け)83,000,000190,000,000310,000,000
 i-Power Engine026,100,000112,347,000
連結営業利益▲37,490,122+78,095,222+236,034,322
 住宅事業+35,409,879+73,032,276+165,441,876
 自治体事業+7,300,000+34,295,446+64,295,446
 i-Power Engine▲80,200,000▲29,232,500+6,297,000
事業構造のポイント:住宅事業(8.13億)と自治体事業(0.83億)は FY2026から既に営業黒字。連結赤字3,749万円は、i-Power Engine の R&D先行投資(▲8,020万、ソフト+ハード開発費7,000万)が主因。FY27にi-Power Engine売上計上開始(2,610万)→ FY28に i-Power Engine も黒字化(+630万)→ 連結営業利益+2.36億円へ。

FY2026 商流別売上分解(住宅事業)

WEB経由
3.09億円(純粗利率30%)
新築ビルダー
1.98億円(純粗利率21.5%)
ハチドリFC
1.86億円(純粗利率10%)
JR西日本
9,525万円(純粗利率33%)
リフォーム
2,565万円(純粗利率40%)

★ 経営方針の再定義

ハチドリは「太陽光販売会社」ではなく、気候変動という地球規模の課題を、住宅・地域・暮らしから解決する Climate Tech Company である。
3事業は 独立した収益柱 ではなく、i-Power Engine への顧客導線として相互に連動する設計。長期的にはARRと顧客データが事業価値の源泉。

第1部:MBOに向けた協議とスケジュール

ボーダレス・ジャパン100%出資から、池田個人80%取得+ボーダレス20%保持 への株主構成変更(MBO)を、5/末に実行する。中川先生(税務・法務)とつんさん(ボーダレス側)と3者で詰めている。

1-1. 株主構成の3段階遷移

Step 1:MBO前(現状)
100%
ボーダレス保有
ボーダレス:100%
Step 2:MBO後(5/末)
80%
池田個人取得
池田:80%
ボーダレス:20%
Step 3:JR西調達後(10月)
76.19%
JR西資本提携完了
池田:76.19%
ボーダレス:19.05%
JR西日本:4.76%

1-2. MBOの確定事項(中川先生 Excel準拠)

項目内容
譲渡比率80%(200株中160株)を池田個人が取得
譲渡価格16,000,000円(2027/3〜4年分割×400万円/年、利息なし・担保なし)
残20%ボーダレス保持。出資契約 第8条(月次報告)継続
配当金9,500,000円(5月末・ボーダレス向け)
利益準備金950,000円積立(配当の1/10、会社法445条4項)
ボーダレス受取総額25,500,000円(うちエンター補填200万)
第9条事前承諾JR西増資について、5月のMBO契約締結時に包括取得
役員報酬月800,000円(据え置き)
譲渡承認株主総会・取締役会双方で承認決議(会社法139条)

1-3. 配当の実行可能性 — 残余8,342円のクリティカル制約

🔴 本MBOの最大論点:分配可能額10,458,342円に対して残余わずか8,342円

分配可能額(FY2025末ベース)10,458,342円
配当決議額9,500,000円
利益準備金積立950,000円
処分合計10,450,000円
残余8,342円 🔴

対応:5月末時点の臨時計算書類で再計算が必要。下振れた場合は配当額を930万円まで圧縮するルールを3者で合意済み。

1-4. 5つの残論点(中川先生に詰めてもらっている)

#論点担当内容
#11.5%累積額60万円の取扱い中川先生(a)譲渡対価加算 (b)別途寄付として精算で税務分岐
#2第9条包括事前承諾の契約条項化中川/池田JR西増資について「あらかじめ事前承諾」と契約書本文に明記
#4池田個人の取得価額認定中川先生1株10万円が時価相当か。低額譲渡認定リスク
#5寄付認定リスク中川先生無利息・無担保4年分割が経済的利益供与認定リスク
#3コベナンツ抵触チェック池田/CFO融資契約書8本の確認 → 5/7時点で精査進行中(第3部参照)

1-5. 譲渡対価1,600万円の支払いスキーム — 役員賞与方式

FY26は配当950万のみキャッシュアウト。譲渡代金1,600万は FY27(2027/3)から年400万×4年 を役員賞与で支給する設計。

年度役員賞与譲渡代金支払備考
FY26(2026/3〜2027/2)00MBO実行のみ
FY27(2027/3〜)4,000,000▲4,000,000第1回支払
FY284,000,000▲4,000,000第2回
FY294,000,000▲4,000,000第3回
FY304,000,000▲4,000,000完済

※ 既存の役員報酬月80万円は本スキーム対象外(別途維持)

第2部:JR西日本からの調達戦略(バリュエーション)

JR西日本グループから 1億円のエクイティ調達 をプレマネー20億円で実施する。10月クロージング目標。
目的は短期EXITではなく、10〜30年スパンの長期パートナーシップ。Climate TechインフラとしてJR西CN2050戦略と整合させる。

2-1. プレマネー / ポストマネーの基本概念

📚 用語解説(川口さん向け)

PRE-MONEY
20
主提案/最低15億
調達額
1.0
JR西からのエクイティ
POST-MONEY
21
JR西取得比率4.76%

2-2. バリュエーション根拠 — 4軸積み上げ

単独の手法だと「未来予測の妥当性」「比較対象の妥当性」で叩かれるので、4軸を並べて加重平均することで「どの軸でも20-30億」を示す。これが交渉戦略の本丸。

DCF法
20.7億(30%)
SaaSマルチプル(i-Power単独)
25.0億(30%)
統合PSR法
30.0億(25%)
+ JR西シナジー
+5.0億
加重平均(シナジー込)
29.5億
★ 提示プレマネー
20億(保守ディスカウント)
なぜ20億か:4軸理論値は24.5〜29.5億。これをJR西の財務・経営企画から「強気すぎる」と差し戻されないよう、保守的に20億で提示。最低ラインは15億(DCFベース、シナジー控除)。15億未満は飲まない

2-3. バリュエーション手法のざっくり解説

① DCF(Discounted Cash Flow)

「未来に稼ぐお金を、今のお金の価値に割り引いて足す」

  • FY26〜FY30の5年間FCFを予測
  • WACC 13%で割引 → 5年合計PV 1.89億
  • ターミナルバリュー(永続価値)+19.0億
  • 株式価値 = 20.7億

強み:事業の実力ベース/弱み:仮定が変わると数字が大きく動く

② マルチプル(市場の物差し)

「似た会社はいくらで売り買いされているかを基準に見る」

  • SaaS Multiple(i-Power単独):ARR×8〜10倍 = 25億
  • PSR(売上倍率):FY30売上15億×PSR2.0倍 = 30億
  • 比較:エネチェンジ2.0倍/チェンジHD3.0倍/米Sunrun1〜2倍

強み:市場が認めている水準/弱み:比較対象選びでブレる

2-4. 投資条件 — A種優先株式の主要条項

条項内容
株式種類A種優先株式(普通株より上位)
議決権普通株1株=1議決権と同等
配当優先権年率1〜2%程度の累積優先配当
残余財産分配権1倍非参加型(投資元本回収後、残額は普通株主へ)
取締役指名権JR西から1名指名(社外取締役相当)
情報請求権月次・四半期・年次の財務報告アクセス
長期保有前提短期EXITは前提としない。M&A方針なし。IPOは時価総額500億円以上のみ

2-5. JR西との戦略的整合性 — Climate Tech × CN2050

JR西にとっての価値

  • 沿線の Climate Tech パートナー 確保(10-30年)
  • i-Power Engine の 沿線優先導入権
  • CN2050戦略 の具体実装プラットフォーム
  • 持続的な戦略的価値の獲得

ハチドリにとっての価値

  • 沿線という 巨大市場アクセス 確保
  • JR西ブランドによる 与信補完・販売効率化
  • 不動産・商業施設案件の 継続パイプライン
  • i-Power Engine の リファレンス顧客

第3部:銀行コベナンツ確認の進捗(5/7時点)

MBO実行が銀行融資契約に抵触しないかを確認するプロセス。5/7時点で「MBO実行可」の判定が出た(きらぼし銀行取引約定書精査完了)。

3-1. 銀行3行の借入ポートフォリオ

銀行契約数借入総額月返済受領状況判定
きらぼし銀行4本7,000万 + 当座貸越枠3,000万約114万✅ 全文受領(5/7)MBO実行可
山梨中央銀行3本未確定(10M+20M+α)確認中🟡 1本受領、2本未受領10M分は問題なし
政策金融公庫2本未確定未確定❓ 取り寄せ未着手確認待ち

3-2. 🔴 きらぼし銀行取引約定書 第18条第3項(最重要発見)

「甲は、その財産、経営、業況等について重大な変化を生じたとき、または生じるおそれがあるときは、遅滞なく乙に対して報告するものとします。

解釈

3-3. CFO推奨:MBO実行前の銀行対応3点

#アクション期限担当
1きらぼし都丸さま・山梨中銀澤田さまへ 口頭事前通知(電話or訪問)5/15〜5/20池田
2中川先生:第16条第3項ハ準拠の契約書ドラフト確認5/15目標中川先生
3MBO実行後、決算書+新株主名簿の銀行提出6月以降池田+CFO
口頭通知のフレーミング:「経営管理体制の整備として、現代表(池田)を中心とした安定運営に移行することになりました」
株主構成変更の事実は伝えるが、「ボーダレス独立路線」「JR西資本提携」の文脈は出さない

第4部:株式分割(1:1,000)方針

現状200株のままだとJR西調達後に 3つの困りごと(刻み粗い/授権枠不足/IPO準備時に必須)が発生する。MBO直後の6月臨時総会で1:1,000分割を実行する方針。

4-1. なぜ1:1,000分割か

項目現状1:1,000分割後
発行済株式総数200株200,000株
1株あたり単価(ポスト21億)1,000万円1万円
JR西4.76%相当10株10,000株
1%調整時の刻み2株(粗い)2,000株(柔軟)
池田保有160株(80%)160,000株(80%、比率不変)
ボーダレス保有40株(20%)40,000株(20%、比率不変)
株主比率は変わらないので税務イベントではない。SO(ストックオプション)発行余力・追加調達の柔軟性・IPO準備の3点で大きなメリット。

第5部:全体スケジュール(5月〜FY30)

📌 まとめ — 5月の3大マイルストーン

  1. 5/7(本日):3者MTGで残論点クリア+株式分割方針合意
  2. 5/15〜20:銀行通知・契約書最終化・機関決議
  3. 5/末:MBO実行完了 → 6月株式分割 → 10月JR西クロージングへ